
娘に贈る「おばけのパッチ」誕生
「娘へ贈る作品を創りたい」
2021年のある日、いけもと しょうは大切な娘のために「挑戦する大切さ」を伝えたいと強く願い、絵本を娘に贈るべく名も無きクリエイターとして絵を描き始めた。
絵を描くための道具は至ってシンプル。
ボールペンとスケッチブックのみだ。
白と黒だけで生み出したキャラクターは「パッチ」という可愛らしいフォルムのおばけ。
いけもとは、寝る間も惜しんでニンゲンのすぐとなりの世界に住む、おばけたちを次々と描き上げていった。

NFTという選択肢
おばけの絵本を出すと決意する一方で、いけもとには”野望”がある。
おばけのパッチを「ムーミンを超える人気キャラクターにする」という”野望”である。
いけもとはその最初の一手として2021年の夏、スケッチブックに描いたおばけたちを「NFT(ノンファンジブルトークン)」というデジタルデータにして販売を開始した。
(NFTは改ざん不可能なブロックチェーンの特性を活かし、デジタルデータに価値を与えることができる技術のこと)
いけもとは、絵本に出るキャラクター全30体を世界に開かれたOpenSea(NFTマーケット)で出品。
とげとげのおばけや魔法使いのおばけなど個性豊かなデザインが人気を博し1ヶ月で完売となった。
キャラクターだけに留まらず絵本「おばけのパッチ」の原画も出品し、その作風に心打たれた海外投資家が約40万円で購入するなどNFTの売上は累計で138万円を超える。
出版に向けてクラウドファンディング
絵本の中身を完成させたいけもとが次に挑んだのは、資金調達。
2022年5月には、CAMPFIREにて絵本出版に向けたクラウドファンディングを実施した。
NFTの活動を通し出会った人からの絶大な応援もあり、目標金額75万円を開始5日目で達成。
最終的な支援者数は89人で総支援額は840,833円となり、いよいよ絵本の出版が射程距離に入った。
絵本「おばけのパッチ」を出版
絵本の出版が現実味を帯びたのは、株式会社みらいパブリッシングから「絵本を出さないか」との声がかかったからだ。
何者でもない、いけもとが自ら絵本を出版しようとしても要件が足りない、という高い壁があったが「縁」が転じて絵本出版の夢を叶えられることになった。
そして、10月24日に念願だった絵本「おばけのパッチ」の出版まで漕ぎ着けた。
この絵本は、【世界で100年続く文化となるIP(知的財産)】を目指して描かれたキャラクターと物語となっている。
国内だけでなく海外への展開も見据えており、日本語に加えインターナショナルスクールが監修した英語の2か国語で綴られているのが特徴だ。
おばけの世界観をメタバースで再現
いけもとは、絵本のみならずメタバースのクリエイターとしても活動している。
ブロックチェーン上のメタバース空間である「The Sandbox」内に、おばけの世界観をバーチャルで忠実に再現することにも挑戦。
NFTアートを飾ることができる「NFT美術館」やエンタメ性のある「GAME CITY」など制作に力を入れている。
パッチを描く いけもと しょう の想いとは?

いけもとしょうです。
絵本「おばけのパッチ」は、小さなおばけが世界の常識に染まらず、自分のやりたいことを貫いてみたらどうなるのか、という物語です。
私はこの物語を通して、愛する娘へ『同調が求められる世界で、挑戦し行動してみると、人生の"小さな何か"が変わるさ』という思いを伝えたいのです。
またこの絵本を、パッチを、私を通し、何かと諦めなくてはいけないママパパたちにも『挑戦していいんだ』と思って頂けたら幸いです。
そして、主人公のパッチくんが暮らしているおばけの街には、様々な姿形の、様々な種類のおばけたちが暮らしています。
全員違う存在なのであれば、考え方だって全員違っていいはずです。
娘にはそこに気づいてほしいし、ママパパである貴方の近くの"常識"とやらに疑問を持ってほしいと思います。
少なくとも1人のパパである私は、夢を持ち、挑戦し、絵本出版という夢を1つ叶えました。
どうか貴方の夢が叶いますように。
■ プロフィール ■
いけもとしょう
1992年7月3日生まれ。愛知県一宮市在住。絵本作家・NFT&メタバースクリエイター。愛知県一宮市で、妻と娘の3人で暮らす。会社員として映像ディレクターの仕事をするものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、クリエイター&ビジネスをする人間としての生き方を考え直し独立。そんな中、「娘へ贈る作品を創りたい」「ムーミンを超える人気キャラクターを生み出したい」という気持ちから絵本『おばけのパッチ』を描き始める。
